日本人初のフロントロー＆ミハエルが燃料軽々でポールを毟り取ったということで，琢磨のレースペースに期待していたわけですが，スタートはいまいちでしたね。１コーナーでのブレーキング競争で２位はキープできたけど，４コーナー(？)でトゥルーリと絡んでるし。アレがレースに大きな影響を及ぼした結果になったでしょうな。だって，ライコネン遅すぎだもん。少なくてもミスしてトゥルーリと絡まなければライコネンの前を走って２秒落ちペースでライコネンドライビングスクール入会は避けられたわけだしね。

　レース中もBARホンダにしては珍しくイケる作戦だったけど，攻めなくちゃならない時にペースが上がらないっぽくて，この辺がチャンピオンドライバーとの違いかなぁとか思っていたけど，どうもタイヤの問題だったっぽいですな。ミシュランには終始同じパフォーマンスを発揮するタイヤを作ってけろと言いたいところです。

　で，燃え燃えのバリチェロとの１コーナー争い。接触＆フロントウィング破損だったわけだけど，あそこは行くところだったでしょうね。タイヤの一番美味しいところだしね。まぁ無理矢理インに飛び込んだ感はあるけど，バリチェロはミラーを見ていなかったというか，明らかに油断していたはず。もし気付いていてインを開けて２台並んで立ち上がっても次の２コーナーはバリチェロがイン側になるわけだし，並んで１コーナーを回れれば大きな問題はないはず。ブレーキが深いというのが琢磨の良いところだし，バリチェロはスタート時に目の前で見ていたはずだし，その時もやたら早いブレーキで後ろのモントーヤがパニクってたし……そんな感じで「アマチュア」発言は言い過ぎかと。「速度差からあそこで抜かなくても抜けた」とも言っていたけど，ライコネンドライビングスクールでラップタイム差が２秒あっても"抜けない"ことは学ばなかったんだろうか。

　ともかく目の前にぶらさがっている２位を得るために攻める気持ちは大切だし，ミハエルも最初の頃は同じような走りをしていた記憶がある。セナに怒られたりね。今回のは少々無茶な印象はあったけど，他のドライバー＆チープへのアピールは大きかったと思うね。次のグランプリでも予選から常に上位に食い込む走りができればBAR＆琢磨の強さは本物でしょうね。

　関係ないけど，意外とミハエルの琢磨に対しての評価はいいのかも。モナコの時もピットレーンでミハエルと走りについて話しているっぽいシーンがあったし，モナコのスタートでフロントタイヤにヒットされているにも関わらず文句も言ってなかったみたいだしね。なによりレース前記者会見や今回の予選後記者会見でも暖かい眼差しで見てたしな(笑)。